信託報酬
売買手数料は購入時に取られるのでわかりやすく、とても気になるものです。しかし、それ以上に気にしなくてはならないコストがETFにはあります。それが『信託報酬』です。
信託報酬とは
ETFはファンド(投資信託)である、と『投資信託とは 海外ETFを理解するために』のなかで説明させていただきましたが運用は運用会社が行っています。イメージはETF(ファンド)を持っている私達が運用会社に運用をお任せしている、といった感じです。この運用を行うのに勿論、タダではやってくれないわけです(^^;)
運用を行ってくれたファンドマネージャーをはじめとする方々へ報酬をお支払いしなくてはなりません。
これが信託報酬です。
信託報酬は海外ETFの場合、年0.3〜0.8%くらいです。
他の投資信託の信託報酬はインデックスファンドで年0.8〜1.3%、アクティブファンドでは年2.0%超えのものもあります。
ちなみに日本で販売されているほとんどの投資信託(ファンド)はアクティブファンドです。
(インデックスファンドとアクティブファンドについては御参考までにこちらを→
インデックスファンド,アクティブファンド,投資信託タイプへ
補足ですが、アフリカや中東のようなデータが少ない国に投資する商品は、情報収集が大変です。つまり経費がかかります。そのため運用に手間や経費が多くかかる商品は信託報酬も高くなるなってしまいます。
信託報酬の計算方法は
保有している分に対してXX%がかかります。
例えばここに2つのファンド、AとBがあるとします。純資産総額はどちらも10億円だとします。
@Aファンドの信託報酬が1%であるとしたら1日あたりの信託報酬は・・・
10億円×1%÷365≒2万7千円
ABファンドの信託報酬が0.5%であるとしたら1日あたりの信託報酬は・・・
10億円×0.5%÷365≒1万3千円
で、私達が支払う金額はというと
@Aファンドを100万円持っている場合の1日の信託報酬額は・・・
100万円×1%÷365≒27円
ABファンドを100万円持っている場合の1日の信託報酬額は・・・
100万円×0.5%÷365≒13円
(うるう年は365日で計算されます。)
これが毎日毎日,ちゃくちゃくと引かれていきます。
@が1年間で9,855円、Aが1年間で4,745円、差額5,110円
@が5年間で49,275円、Aが5年間で23,725円、差額25,550円
@が10年間で98,550円、Aが10年間で47,450円、差額51,100円…
たかだか数十円(駄菓子の上手い棒が数本デス…)の違いですが、長期運用の際、手数料は運用成果に大きな影響を与えるので、なめてはいけません。
なぜか、というところを深めていきますと…。
基準価額が上がって100万円で買ったファンドが105万円になれば、その日の信託報酬は
101万円×1%÷365≒29円
となります。
105万円♪になるときも95万円↓になるときもあります。わかりやすく、平均基準価格が100万円だとして、信託報酬が0.5%だとしたら5000円が年間で支払う信託報酬額となります。つまり、1年間の運用が0.5%を上回らなければマイナスになってしまいます。
ところでなぜETFが他の一般的な公募型の投資信託よりも手数料が安いか、というお話を簡単にさせていただきます。
他の投資信託には信託報酬の中に代行手数料と呼ばれる販売会社への報酬、企業調査や市場調査費など、私達には直接触れませんがコストがかかります。
一方、ETFは投資信託とは販売ルートが異なるため(バイ・アンド・ホールドという投資方法)、代行手数料に相当する部分がかかりません。なので他の投資信託よりもETFの手数料は低くなります。
海外ETFは一般の外国株式投信に比べて、保有コストが割安なので有利といえますが、売買を頻繁に繰り返すと、売買手数料がかさんでコスト負けするような状況も考えられます。購入に際しては、中長期の観点から投資を考えることが大切です。
長期投資を前提とするので、売買手数料よりも、ファンドから日々差し引かれていく運用報酬に着目すべきということになります。